味わえなかった、、、

先客が2人いて食べ終わるところだった。
道路側のカウンターの端に寄って、店主に券を渡して「太麺で」といった。
着ていた薄いジャケットを途中で脱いで手に持っていたので
どうするかでいると、先客が出て行った。
「ハンガーに掛けて下さい」と店主が言ったが、
席から離れていたので、カウンター下のフックに掛けた。

席に座って、洋服掛けがある壁を見ると、
背番号#9ベイスターズの選手のサイン色紙と新聞記事の切り抜きに
初めて気が付いた。
「ベイスターズの選手が来たんですね」というと、
「ええ、友達なんです」
「野球やってたんですか?」
「いえ、幼稚園の頃からの同級生なんです」
「幼馴染みなんだ。今、首位ですよね、ベイスターズ」
店主の横顔が嬉しそうだった。


しばらくして、奥の厨房から店主が“太麺らぁめん”を出して来た時に
ゴブラン織りのカバンで有名なメーカーのタオルハンカチで
頭を押さえた女性が入って来た。

「すみません、和菓子屋さんの前通って来たら、看板に頭がぶつかって、、、」
開けてある入口近くの椅子に座り込んだ。
「どうなっているか、見てくれませんか?」
「えっ?」店主と顔を見合わせた。
店主がティッシュの箱を持って、奥から出て来た。

ハンカチで拭っているrが、頭の左上からこめかみに血が流れた跡が付いている。
「血が出てますよ、救急車呼んだ方が良いじゃないですか?」
「そんな、大した事じゃないと思うんですけど、、、」
「頭だから大事ですよ。じゃあ119番かけて休日診療教えてもらって、、、」
それで、店主が電話した。
やり取りを聞いていると、結局、救急車が来てくれる事になった。
トラは「消防署は近くだからすぐ来ますよ」といった。
その間に、若い女性が二人入って来て、ひとりは店主の知り合いみたいだった。
店主は「キレイなタオルで傷を押さえてと指示された」といって、
タオルを女性に渡して、コップに水を入れて、カウンターに差し出した。
女性はお礼を言って、水を少し飲んだ。

トラは、すぐ傍で”太麺らぁめん”を食べるのが申し訳なかった。
走って来たせいなのか、けが人がいるからか、
このスープは、前回より魚が感じられなかった。
おちおち食べてられないところに、救急車のサイレンが止まった。
ヘルメット被った隊員が二人入って来た。
「大した事じゃないと思うんですけど」と、また女性はいった。
救命士は、ゴム手袋をはめた手で髪の毛を分けて傷を見ると
「あ~、結構深いね~、縫った方がいいですよ~」で、応急手当をするが、
傷にあてたガーゼを固定するのに頭にかぶせたネットが外れた。
そこにもう一人隊員がやって来て、トラが食べているのを横目で見た。
「ここじゃ何だから、救急車で」といって、やっと移動してくれた、、、
そこで、やっと若い女性達の注文を承って、店主が麺の種類を説明。
「通常は“細麺”なので」といって、細麺を勧めていた。
そこに男性が一人入って来て、ライス付で大盛を注文。
同じ様に麺の種類を説明した。

この日は食べた後、話をしないで挨拶だけして店を出た。
前回の説明だと、“太麺はうどんみたいにモチモチしている”だったが、
あまりモチモチ感は無かった。(寝かし方が足りないのか?)
ま、ツルツル感はあると思う。
かなりシンプルなテェイストなのは間違いない。

店を出て店の脇道を通って、問題の和菓子屋の看板を見に行ってみた。
(トラが往復で走って来た道路沿いにある、、、)
下の画像の赤丸部分、こら、危ない。
角が横に出ている、、、気をつけないと頭ぶつける。
(後で賠償問題とかに発展するのかなぁ?)



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